2002年9月
特定非営利活動法人 せんだい・みやぎNPOセンターの
2001年度経過報告と、2002年度を展望する
■■2001年度経過報告■■
1.社会情勢「NPO創生期から展開期へ」
私たちがせんだい・みやぎNPOセンターを設立して、まもなく5年になる。同時に、特定非営利活動促進法が施行されて、この12月で4年になる。この4〜5年は、日本におけるNPOの創生期であり、基盤整備の時期であった。この間、全国のNPO法人認証数は、約7000団体を超え、宮城県の認証数も約130団体を超えた。このままの速度で法人化が進めば、2003年には1万以上の団体がNPO法人となることが見込まれる。特筆すべきは、念願のNPO支援税制、すなわち「認定特定非営利活動法人制度」が2001年10月1日より施行されたことで、極めて狭き門ではあるが、税制に手をつけた意味は限りなく大きい。支援税制を求める運動とNPO法の改正に向けた市民の行動は、国の法律レベルで市民の声が大きな力を持つ時代の到来を明確に示していることに大きな意義がある。
同時に、各地に官設民営(NPO委託)の支援センターの設立が相次ぎ、行政系基金の設立も加わって、官による大幅なNPO支援の基盤整備が進行している。NPOへの委託事業の増加は著しいが、中には、協働やパートナーシップという言葉にもかかわらず、官主導民追従の事業も散見され、成果の評価が課題となりだしている。
NPOの側では、確実に成長するNPOが増加している反面、マネジメント力の欠如や未熟による組織運営が混乱する傾向が一部に見られる。NPOに対する社会的注目度はますますアップしている現在、組織や活動の透明性やアカウンタビリティの確保と、成果の見えるNPOへ転換が強く求められる時代になったとも言えよう。
翻って、宮城県内を見れば、2001年4月には、宮城県による中核機能拠点として「みやぎNPOプラザ」が開館し、当センターが仙台市より受託している「仙台市市民活動サポートセンター」も含めると、気仙沼市、石巻市、古川市、白石市などに民間の支援センターや官設の支援施設が設立、または設置されて、一層基盤整備が進んできた。その中での当センターのポジショニングが重要になっている。
2.せんだい・みやぎNPOセンターの2001年度方針
上記のような情勢認識のもと、私たち、せんだい・みやぎNPOセンターは、2001年度の活動方針を以下のように設定した。
・中期目標の設定と自らのポジショニングの確認
・スタッフの専門性確保と組織体制の整備(人材の適正配置、役職)
・仙台市市民活動サポートセンターとせんだい・みやぎNPOセンター(本体)の役割・機能の明確化
・重点事業の確実な実行と将来への布石
・業務品質管理
3.重点事業の実施状況と成果
(1)NPO支援税制とNPO法改正に向けた働きかけ
シンポジウム、キャンペーン等を繰り返し、全国的な運動を盛り上げることに力を注いだ。その結果、10月1日より不充分ながら支援税制が施行された。
(2)企業とNPOの連携推進とサポート資源提供システムの構築と運用
サポート資源提供システムの試験運用を2001年9月に開始し、半年で中古PC79台、中古オフィス家具約200台、資金230万円をNPOに提供した。また、中心となる企業・団体関係者による運営委員会を発足させるための準備会を重ね、規約等の整備を進めた。
(3)宮城県内の民間NPO支援センターのネットワーク形成
県内のNPO支援センター5つ(気仙沼市、石巻市、古川市、仙台市、白石市)のネットワークを構築、協働で巡回研修と交流会を連続5ヶ所で開催した。
(4)評価システム研究会への参加によるマネジメント研修への反映
一昨年に続き、全国レベルの協働研究会「評価システム研究会」に参加、その成果を日常の組織運営に活用すると共に、NPOにおける評価についての適切な知見を広めた。
(5)NPO情報ライブラリーの設置と情報発信支援〜HP化
NPOの情報公開・発信拠点の民間運用体制を確立するため、当センター大町事務所内にNPO情報ライブラリーを設置した。サポート資源手提供システムと連動して、団体登録に努め、情報発信支援と資源仲介のためのHP化による広報体制の整備などを積極的に進めた。
(6)市民起業家、コミュニティビジネス支援システムの構築
仙台市市民局地域振興課より受託した「市民起業家スクール」の連続開催と報告書の作成などを通して、コミュニティビジネスやNPOの事業開発に積極的な人々とのネットワークを構築し、今後に向けた準備を行った。
■■2002年度を展望する■■
1.社会情勢/展開期のNPO
このまま行くと、2003年中には、全国のNPO法人数が1万団体を超すことは確実と見られる。一方でマネジメント欠如の深刻化も進み、マネジメント支援ニーズは大幅に増大する。同時に、資金支援ニーズの増大も著しいはずである。さまざまな社会的課題のますますの多様化と深刻化が進行する中で、NPOへの期待は幻想も含めて増加することは言うまでもない。その中で、地域間格差、自治体間格差の増大や失業率のアップが進行し、行革の推進と共に、NPOへのアウトソーシングの拡大と下請け化が進行することが懸念される。だからこそ、官民の対等性を保ち、市民提案を政策立案に結びつける「協働のコーディネーター」的役割の人や組織の必要性、重要性が増すであろう。
さらには、失業者の増大、団塊の世代の退職者増加に伴い、NPO的起業ニーズは確実に拡大する。地域起業、コミュニティビジネス等による地域活性化への期待も膨らむ。そんな中では、ますますNPOによる政策提案能力の向上を前提としたアドボカシー機能の重要性が増大する。
2.せんだい・みやぎNPOセンターはどうするか
官設の支援センター、支援施設が増える中で、私たちはあくまで民間性にこだわり、官設の施設とは機能分担を行い、民間性を活かした事業展開の深化をめざすべきであると考える。まず、せんだい・みやぎNPOセンター本体は、全国・東北・宮城県全体を対象地域に、NPOセクター構築のための、提言性・先駆性・戦略性を重視した事業展開に重点を置き、活動する。そのため、昨年度に結成した「みやぎNPO支援センターネットワーク」の事業展開を強化し、本年度も県内5ヶ所を巡回して支援センターと地域のNPOの交流と研修事業を行う。また秋には、東北全域を対象とした「NPOパワーアップフォーラム」を日本NPOセンターと共催で開催することで、宮城県および東北地域のNPO支援に取り組む。また、サポート資源提供システムの本格運用や人財サポート事業、広報サポート事業などの重点事業によって、さまざまな資源とノウハウと人材の提供を行う。
一方、仙台市より受託している仙台市市民活動サポートセンターは、4年目に入り着実にシステム整備が進み、仙台圏を中心的な対象とする地域密着型の支援センターとして、「地域に根ざしたシーズとニーズを結びつける、見えやすく使いやすいサービスの提供」と場づくりをめざす。具体的には、直接的に市民活動団体へのサービスを考えるだけでなく、さまざまなニーズを持つ市民とその問題を解決し得るNPOを結びつける場としてのサポートセンターへの拡充を考えている。その一端は、7月に実施した、サポートセンターまつり「市民活動カラフルフェスタ」の企画に盛り込んだ。
また、当センター単独の事業展開から、他組織との協働型の事業展開を視野に入れ、今までの総合型(なんでも屋)支援センターから、重点事業型支援センターへの脱皮を図る。重点機能としては、アドボカシー(政策提言)機能、マネジメント支援機能、コンサルティング機能、資源仲介(インターミディアリ)機能に集中する。
また、11月1日〜2日には、当センター設立5周年の記念事業として、記念フォーラムの開催とコンセプトブックの出版を予定している。これを単なるお祭りに終わらせることなく、次の5年へ向けた戦略策定のためのふりかえりと基礎づくりとしたい。
3.2002年度せんだい・みやぎNPOセンター重点事業
(1)NPO支援税制の改正、自治体のNPO政策への提言等の一層の強化
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会参加、県会議員意見交換会
(2)NPOの経営力向上のためのマネジメント支援
広報戦略講座、ボランティアマネジメント講座、NPO法人化講座等、各種マネジメント講座、経営相談、法人化相談等の強化を通してのNPOの経営力向上支援
(3)民間による支援体制構築のためのネットワーキングの推進
みやぎNPO支援センターネットワーク事業、NPOパワーアップフォーラムの開催
(4)NPOの情報発信支援体制強化
NPO情報ライブラリー、広報・情報発信講座、IT関連支援
(5)企業とNPOとの連携推進の強化と資源仲介機能の充実
サポート資源提供システムの本格運用と参加企業拡大
人財サポートプログラムによる企業人材のNPOへの参加促進
(6)地域における新しい経済の活性化支援 コミュニティビジネス支援事業の継続
仙台市中小企業支援センターとの連携によるコミュニティビジネス開発講座の開催等
(7)仙台市市民活動サポートセンターのサポート機能の充実
仙台圏を中心的な対象とする地域密着型の支援センターとして、「地域に根ざしたシーズとニーズを結びつける、見えやすく使いやすいサービスの提供」と場づくりをめざす。
(8)5周年記念事業の推進 記念フォーラム+コンセプトブック出版
11月1日〜2日にかけて、5周年記念フォーラムを開催する。同時に、コンセプトブックの出版を行い、5年間の歩みを総括すると共に、次の5年の足がかりを得る。
せんだい・みやぎNPOセンターの2002年度プログラム構成
