2002・7 NPO税制改正全国キャンペーン  緊急報告会&説明会


変えるために、さあ、動こう!
NPO法人自らが動かずして、使える制度は実現しない


当日記録


日時 2002年7月10日 19:05〜21:00
会場 仙台市青葉区中央市民センター 第二会議室
ゲスト シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長 松原明さん
主催 特定非営利活動法人 せんだい・みやぎNPOセンター
協力 シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
     NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会




 一連の「NPO税制改正全国キャンペーン 緊急報告会&説明会」、仙台では「変えるために、さあ、動こう! 〜NPO法人自らが動かずして、使える制度は実現しない〜」と題して2002年7月10日、宮城県仙台市の青葉区中央市民センターにて開催された。
 台風6号が近づく中、大雨の中での開催であったが、NPO関係者、行政関係者、マスコミ関係者など20名の参加があった。
 はじめに、主催者より簡単なあいさつがあったあと、早速、松原さんの講演に入った。以下、概要を記す。

●NPOに関する制度改革の流れについて

 NPO法策定の議論の中で、NPO・市民活動団体の活動を支える仕組みとして、(1)NPOが容易に取得できる法人格、および、(2)社会一般からNPOへの支援を促進するための税制、の2点が議論になった。このうち、1998年12月に施行されたNPO法では、(1)の法人制度だけが盛りこまれた。当時は、どのような団体が、何団体くらい法人化するか予測できない状態であったため、税制優遇の導入は先送りされた形となった。
 ただし、NPO法の附則や、国会の附帯決議の中で、法人制度および税制度について、2ないし3年以内の見直しが明記された。その3年目の期限が、昨年、2001年の11月末であった。
 上記2点のうち、法の制定時に先送りになった支援税制については、不十分な形であるが、2001年10月に認定NPO法人制度という形で導入されることになった。現在、その制度の問題点について改善していく取り組みが続いている。
 一方の法人制度については、法の施行後約3年で7,000を越える法人ができ、また認証率も99.5%を超えており、だれでも容易に法人格を取れる制度として成功しているといえよう。ただ、運用上いくつかの問題がでているため、それを改善するためのNPO法の改正案が超党派の国会議員からなるNPO議員連盟の中で議論されてきた。改正案の大枠については、昨年秋の時点でできていたが、2001年9月の同時多発テロや、NPO議員連盟内部の問題、さらに現在、NPOの担当である国会の内閣委員会で重要法案である個人情報保護法案が審議されている、などの事情から、現時点ではまだ国会に提出されていない。状況次第では、秋の国会までずれこむ可能性がある。

●NPO法の改正について

 NPO法改正のポイントは、以下の10点である。
(1) 活動分野の5分野追加。
  現在の12分野が17分野になる。
(2) 「その他事業」の明確化
  NPO法上の「収益事業」を「その他事業」として、税法上の収益事業との違いを明確にした。
 (既存のNPO法人については、定款上収益事業として記述していても、定款変更の必要はない)
(3) 認証の申請に必要な書類の簡素化
  内容が重複している書類を統合した。
(4) 定款に記載しなければならない事項の追加・変更
  (2)(3)の変更に伴うもの。
(5) 暴力団を排除するための措置
(6) 役員の任期の伸長 
  NPO法上、役員の任期は2年までとなっているが、任期終了後、総会まで任期の延長ができるようになった。
(7) 事業の変更を伴う定款変更の認証申請時の書類の追加
(8) 予算準拠の規定の削除
  NPOの事業の柔軟性を損なわないようにするための措置。
(9) 課税の特例
  現行の支援税制を記述したもの。
(10) 虚偽報告、検査忌避等に対する罰則規定の新設

●NPO支援税制

 NPO法人への支援税制は、大枠の仕組みとして、2段階の制度になっている。

 任意団体 ―――――→ NPO法人 ―――――→ 認定NPO法人
        所轄庁の認証        国税庁の認定

 認定NPO法人に対して寄付をした個人・団体には、税が優遇されるため、団体は寄付を集めやすくなる。ただし、法人自体への税制優遇はない。
 アメリカでもこのような寄付税制の制度があり、年間で14〜15兆円の寄付を集めている。

 ただし、現行の支援税制には、大きくわけて2つの制度上の問題が指摘されている。
  (1) 認定を受ける要件が、NPO法人の実態に合っておらず、厳しい。
    現在、申請した法人は13法人しかない。(うち6法人が認定)
  (2) 寄付税制であり、法人にかかる税金に対する優遇はない。

 NPO側から、このような制度を変えていこう、という声が高まり、昨年からキャンペーンを行っている。国でも申請の少なさなど、制度施行後の経緯を見て、制度の見直しを検討している。


●税制改正に向けての流れ ―自民税調は世論で動く、財務省は数字で動く―

 今年の税制改正は、3つの機関で議論が行われている。1つは、政府税調、2つ目は、経済財政諮問会議、そして、3つ目が、自民(与党)税調である。基本的には、政府税調および経済財政諮問会議の議論を受けて、自民税調が年末に税制改正大綱を作成する流れとなっている。
 政府税調・経済財政諮問会議については、すでに支援税制見直しの方向で動いている。最後の自民税調、および財務省を動かしていくことが、NPO側の運動のポイントである。

     政府                 自民(与党)
  財務省                 税調(大綱作成)
   ↑要望・折衝(8月末)         ↑要望・交渉(11月)
  内閣府                 自民党NPO特別委員会

 この2つの流れを同時に進めて行かなければならない。財務省については実態の数字がなければ動かないので、現在、NPO法人の実態調査を進めているところである。一方、世論や政治で動く自民税調については、秋に予定しているNPO法人の署名運動などで働きかけを行う。

●NPO法人向けアンケートについて

 上述のように、財務省を動かして、税制改正を実現するには、実際のNPOの活動の状況について調べる必要があり、今回NPO法人の皆様にアンケートをお願いすることになった。
 アンケートの内容は、税制優遇を受けるための認定要件(パブリック・サポート・テスト、広域性要件、共益性要件など)が、NPOの実態とどれくらいずれているかを明示するためのものになっている。特にパブリック・サポート・テストについては、会費や助成金など、その出所や性質など詳細まで調べないと、認定要件に盛りこめない。そのため、細かい数字まで聞く設問になっている部分もある。
 また、今回のアンケートは、シーズの自主事業であり、国からの委託事業ではない。委託で、という話もあったが、そうすると、集めたデータが公開されなかったり、交渉に不利に働くなど、不都合な点が出る可能性があるためであった。資金的には心配な面もあるが、自主的に行うこととした。

 これまでは、公益法人の多くが、活動のほとんどを税金でまかなっており、そこへの税制優遇はある意味当たり前のようになっていた。それに対してNPOは、民間資金・公的資金など様々な資金を活用して活動する団体であり、そのような団体へ税制優遇を与えるのは、初めてである。そのため、データを1から集めて、財務省と交渉していくしかない、今回のアンケートは、その交渉材料として貴重な資料になる。是非ご協力いただきたい。




○担当者ふりかえり

 質疑応答の中で、「アンケートが届いたときには、この忙しいときに...と思ったが、今日の話を聞いて、必ず答えなければならないと思った」という感想が出ていた。当日欠席の団体にも、アンケート回答への呼びかけを行おう!、という点を確認して、会は終了となった。
 また会場では参加費の代わりとして、NPO税制改正に向けた運動を支援するカンパを行った。集まった¥13,000−については、今回の一連のキャンペーンへの寄付として、シーズに送られる予定である。

(以上、文責、せんだい・みやぎNPOセンター 高田)


○この記録に関するお問い合わせ・お申込先
特定非営利活動法人 せんだい・みやぎNPOセンター
〒980-0804 宮城県仙台市青葉区大町2-6-27 岡元ビル4F
TEL:022-264-1281  FAX:022-264-1209
minmin@minmin.org  http://www.minmin.org/





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