市民活動団体の交流広場 「センダードサロン」
2003/9/29 センダードサロン 記録
「その時NPOはどう動いたか、そして今後の連携の方策を探る」記録
司会:中津涼子・遠藤智栄
記録:中務恵美
参加人数:36名(スタッフ含む)
1. 開会あいさつ (遠藤)
5月、7月の宮城県北部地震の後、震災時にNPOがどう動くか、ボランティアセンターはどう動くか関心が高まっている。宮城県沖地震を含む次の震災に備えるために、分野を超えて交流・連携するきっかけとしたい。6月にも、災害をテーマにしたセンダードサロンを行い、団体が連絡を取り合える関係が大切だと認識した。県内の市町村社協との連携についても考えて行きたい。
2. 南郷町社会福祉協議会 永沼威雄さんより
まずは7月26日の地震時の協力に感謝したい。別紙にボランティアセンター設立までの経緯をまとめた。7月26日深夜、南郷町を含む5町が被害にあった。地震によって町の災害救援本部ができたが、南郷町社協としては、昼間はサービス利用者を訪問したり、事務所の被害を確認していた。27日、被害の大きい地域を事務局長とまわった後、昼に南郷町ボランティア友の会、みやぎ災害救援ボランティアセンター、神戸のNPO、レスキューアンドサポートネットワークなど、20人前後で南郷町社協に集まり、災害救援ボランティアセンターを立ちあげる決断を行った。町の方と話を行ったのは夜になってからである。
まず何をすべきかという点で、スタッフ自身も被災していたこともあり、被災した家の方の話を聞き、日常生活を営めるように方付を手伝うことになった。被災した家のガラス食器や家具、家財はひどい状態だったが、そこにボランティアが片付けに入ることになった。その後の雨による2次被害の恐れもあり、雨漏り対策でブルーシートをかぶせるなどの必要性も出てきたが、ボランティア保険に加入してもらったとは言え、屋根の上に登るなど危険作業はできないため、ボランティアには、もっぱら下に落ちていたものの片付けを頼んだ。同じ日に資材(スコップ、ハンマー、ヘルメット、袋類など)、必要物品を購入し、被災者に向けてボランティア活動を周知するため、チラシを作り、避難所でまきはじめ、また仮設電話、FAXなども設置し、28日から本格的に新聞などにチラシも折込んだ。しかし、被災者は、新聞を見る余裕がないというのが現状だったため、250人ほどの南郷町ボランティア友の会のメンバーに協力を仰ぎ、押し寄せていた一般のボランティアと共に歩いて周知を行ったが、これが一番効を奏したと考えている。地域のボランティアにしかできないつながりがあると感じた。また、報道機関などにもチラシを配布した。
ニーズなどの各種書式、様式はニーズが上がり始めた28日に作成し、それを使ってすぐにボランティアを派遣した。7月30日(水)、正式にボランティアセンター(以下、VCと略す)を設立する運びとなった。阪神大震災の経験者が立上げの際に協力してくれたが、長期間関わることはできないため、災害救援ボランティアを運営していく組織の役割分担を、地元にいるメンバー内で行うことになった。また、立ち上げの時に関わったボランティアも、各部門にわかれて引き続き手伝いをしてもらうことになった。活動内容を例にすると、ボランティアのニーズ対応、資材班、送迎班などの班決定、配車班によるレンタルトラックの配車割り当てなど。ボランティア調整班の活動は、ニーズを募ってボランティアのチームを作り、ボランティアが現場に出発する前にオリエンテーションを行うなどであった。運営の点では、町の災害対策本部とも連絡を密にしなければならない。避難所での活動、廃材の捨て場所、ライフラインなどは町で把握しているので、町との連絡調整を一本化する必要を感じた。また震災直後から、報道関係者だと思われるヘリコプターが空を巡回しており、取材なども多くあったため、マスコミへの対応は事務局長を窓口に一本化した。管内の社協職員には協力をお願いしていたため、自分は各部門の連絡調整を行っていた。最初は別紙の図のように明確な体制ではなかったため、毎日各部門毎にあつまって夜遅くまでミーティングを行った。ボランティアをする上での注意点としては、交通手段、宿泊場所、昼食などはボランティア自身で用意すること、保険はVCの負担で持つこと、活動しやすい服装で来てもらう事などをとりまとめた。1日のおおよその流れはニーズの受け付け、待機、ボランティア要請、現地派遣、帰って説明を受けて、解散というサイクルであった。ボランティアには、毎日保険に入ってもらった。保険の加入者数からボランティアに関わった人の総数を調べたところ、延べ1,400人ほどであり、実際の受付数は、数日に渡って活動してくれた方の重複分を入れて1,970人であった。
最後のページのリクリエーションに関わるガイドラインは8月に完成したものである。避難所でできるボランティア活動をまとめたものだが、5つのカテゴリーのうち、3つ(マッサージ、炊き出し、レクリエーション)が実際にとり行われた。事例としては、宮城県レクリエーション協会による、お茶のみサロンや、子供たちに対する遊び、配膳、仮設風呂設置と、風呂の介助ボランティアなどがあった。また、有資格者の募集を受付時点で伺った。VC運営中は、組織をどのようにしてつくったらいいか、そこにどんな人が協力していけるのかをいつも考えていた。8月3〜12日に、管内の社協職員の協力期間は、8月3〜12日だったが、管内社協職員の通常業務を考えると、長期で協力を依頼することの難しさを感じた。今後の改善点としては、長期間関われるスタッフの確保があげられるだろう。また、その為にも日頃から顔の見える関係づくりが大切だと感じた。
最初の時点でとまどった点としては、情報把握が挙げられる。初期の段階で、他の団体のできる情報を知らせてもらい、そこに連絡してつながりを持つことができれば良かったと感じている。災害は起こってみなければわからないが、今後予想される被害によって、災害救援の内容も変ってくると思う。今後も様々なところで話し合いを続けたいと考えている。
<質疑応答>
Q:県外から入った人がなぜ南郷町に入ったのか?
A:南郷だけではない。何らかの関わりは全部の町にあった。南郷町災害救援ボランティアセンターの名を使ったのはうちだけだが、他も活動していた。関東や阪神から来ていただいた方から、わからないことはノウハウをいただいたと思う。
Q:ニーズを呼びかけたとあったが、上がってこなかった部分のニーズについては、問い掛けたのか?
A:口コミで周知をした。上がってこない部分は必ずある。民生委員に呼びかけて、要援護者などまわり、必要ならニーズの様式も依頼していた。
3. みやぎ災害救援ボランティアネットワーク
佐藤年男さんより
今回の地震では、みやぎ災害救援ボランティアとしては実際どう動いたらいいか、具体的に動く方法がわからなかった点があったので、次に生かしたいと思う。今回は特に都市部と農村部の違いを感じた。農村部では内輪意識が強いため、地元の巻き込みが大切だと感じた。もし仙台で災害が起きたら?というのが最大の今の関心事であり、現在、消防局とも話をつめている段階である。VCの立ち上げについては、南郷町VCの設置場所が好条件であったことを検討材料に、今後設置場所を含めて考えたいと思っている。また、書類の事前整備が必要で、現在作っている最中である。実際に災害が起きた時の集合場所も考えており、関係者は県社協、自治会館、福祉プラザなどに集まることを検討している。宮城県のNPOプラザは広場があるため、ボランティアも集まりやすく、宮城野区のVC設置場所には向いているかも知れない。様々な関係者にどんどん会って、これまで学んできたことの方向づけをしている。例えば、今回VC専用に使えるパソコンがあったために助かったのだが、それがないとすると、自分の職場のPCを転用することも難しく、いかに専用のPCを持ってくるかが大切だということを学んだ。
現在、宮城県のアクションプランを具体的にしていくために、県や市の担当者と話し合いを詰め、ライフライン関係者とも顔の見える関係をつくりたいと考えている。別紙に様々な人材が様々な所で役に立つために、項目を挙げたので見て頂きたい。災害はすべての生活にかかるものである。多様な人材が集まって、自分の持てる力を持ちよれば被災者が早く立ち直ることができると考えている。
4. 宮城県社会福祉協議会 北川さんより
今回5町で災害が起きたが、戸惑ったというのが正直な感想である。地震発生後、まずは現地に赴いた。情報の管理の必要性を感じ、県社協として5町の情報をある程度とりまとめた。長期化していく支援では、現地の近隣町村だけでは持たないため、県内社協の職員のコーディネートを依頼され、その社協スタッフのシフトをつくった。他県のNPOの方より、他の町社協がこれ程協力したのはめずらしいことだと評価をいただいた。反省点は色々あるが、今回特に感じたのは、それぞれの地域性、町との関係などにより様々な形態があり、県社協としては調整に困難を感じた。今後はなるべくスムーズに支援ができるような調整を進めたいと考えている。完璧なやり方はないが、どういった立場を取るのか、できることできないことをはっきりさせて、どんな役割を担うのかを、平常時に確認し合えることが大切ではないかと思う。
5. NPOから
< (1) 団体として取り組んだこと、 (2)
今後の取り組み、(3) 今日気づいたこと>
■ゆうの会
(1) 大人が忙しいので、こんな時こそ子どもに遊びをと思い、冒険遊び場の連絡会で、社協やNPOセンターに情報収集したが、やみくもに行ってもだめだろうと思い、様子を見ているうちに何もできず終わった。
(2) 子供たちのケアのためにすぐ動くことができる時期がきたら、どこにでも行く。子どものケアは大切。
■水環境ネット東北
(1) 地震当日、仙台市街地に残っていた事務局員は私だけであり、他の事務局員は出張中だった。地震災害に対して団体としての取り組みは特に行っていない。
(2) 私達の団体は水環境をテーマに活動しているので、災害の視点からは「水害時の対応」が課題として挙げられる。非常時は、河川管理者や自治体、水防団等が連携して、対応にあたっているが、地域情報の把握という点で、市民ネットワークを活用できないだろうか?ということを考えている。例えば広瀬川をつないだネットワーク等。また、個人的には救急法のインストラクターをやっている。野外活動の機会が多いため、野外での自己を想定していることが多かったが、災害時の事故についても、意識し、救急法の普及に努めたい。
■チャイルドラインIN MIYAGI
(1)(2) 今回の地震は、子ども達が夏休み中のできことだった。子どもからの相談の電話を受付けている団体なのだが、子どもからの相談というのは、様々な社会の状況を反映しているので、当然今回反応があるものと思っていたら、以外に電話がなかった。子ども達が忙しい親に気を遣い、電話が使えなかったり、また地震が原因となった相談のことで電話していいと思わない、といったことがあったのではないかと考え、被災者の子ども向けのカードを作った。7万人の子どもにカードを配り、反応が返ってきている。電話をどうやって確保するかが大変だった。通話料負担など、NTTにも相談した。対面では話せないこともあるので、こういったラインが必要である。子どもだけでなく、大人の心のケアについても、他の電話相談をしている団体と協力できるのではないかと考えている。
■CILたすけっと(豊川さん)
(1) 夢かぜ10億円基金の窓口を担当している関係で動いていた。災害時の支援活動を団体として行うというよりは、日頃関わっている障害者の連絡先としての活動であった。。
(2) 今後の取り組みとしては、障害者が主体の団体なので、障害者である会員とスタッフ本人の確認が主になる。どれだけ広げられるかが想定できないが、会員の知り合いというところで安否確認をし、その周辺で支援ができると思う。
■ICAS(津田さん)
(1)(2) 外国人に日本語を教えている。仙台市内には16ほどの日本語教室があり、6000人の外国人がいるが、中には新聞も読めない、近所からの情報もとれないという人がいるため、災害時には聴覚障害者と同じ状態になる可能性がある。また、自国で地震を体験したことがない人もいる。まず、日本語講座を通じて、災害が起きた場合どの様に行動したら良いのかの情報提供を以前から行っている。119のかけ方や、地震時の避難の仕方なども教えていた。これからも継続したいと考えている。
■せんだい・みやぎNPOセンター(青木)
(1) 初期段階では情報収集で終わっていた。県社協から情報を仕入れ、個別にボランティアセンターに問い合わせを行って整理していた。県外からの問い合せもあった。個別のNPOへ、物資提供のコーディネートを行った。災害時の組織対応が未整備だったので、スタッフが個別に8名ほど4町に現地に入った。スタッフの感想などを含め、SCの1Fに特設コーナーを設け、現地の情報提供やボランティア状況の提供を行った。
(2) 今後の取り組みは、市内県内県外の災害時の対応と、組織内部の安否確認と情報提供の整理である。プロジェクトチームを作って少しずつ整理している。顔の見える関係づくりがやはり大切。組織として備えを始め、SCにおいては、市との連携もつめていく段階である。
■仙台市市民活動支援室(佐々木さん)
(1) (2) 組織・行動の論理があり、柔軟な対応が期待できないこともあるが、果たさなくてはならない役割は大きい。計画や訓練も仙台市としては力を入れている。市民やNPOが災害時に何ができるかを考えることや想像力を働かせることは大事だと思う。いざというときには災害をメインテーマとしていないNPOがどう関わるかが重要であり、災害時、あるいは事前に自らの能力、ノウハウを情報発信していくことが重要だと思う。パソコンの話が出たが、会社や行政など組織で使っているパソコン(LAN)は緊急時には使いにくいと思った。
■東北大学経済学研究科(増田さん)
(1) (2) 活動履歴の情報起こしをやりたい。媒体として、「仙台都市研究」の次号特集が災害かも知れないので、どう情報発信できるかを考えたい。宮城県沖地震対策連絡協議会が、理工系中心に12月6日に設立の予定である。地域づくり部会ができるので、NPO含め、話し合いの場所を持ちたい。地域防災計画のマニュアルに事前対策が書かれているが、そこでNPOとの関係も書かなければと思っている。地域の建設産業についての考察も必要。そういった団体は地元にネットワークをもっている。コミュニティビジネス型の震災復興もあるかもしれないと考えている。建築学会の地震速報会があるので、今回の地震の全体像の把握に役立てて欲しい。
6.意見交換・質疑応答
・みやぎ災害救援ボランティアネットワーク 佐藤さん
災害が起きると、救援物資が大量に届く。物資はいらないと流したが、行政の方に集まってしまった。過去の災害を見ると、救援物資の8割がごみになっている。救援物資の代わりにお金をもらえれば、日本では事足りる。物資があるために場所が占領され、ごみ処理に資金もかかる。義援金は被災者の方に行くが、時間がかかってしまう。災害救援団体に支援金を頂ければ、即被災者に反映される。
Q:永沼さんへの質問。私も参加したが。その後、みんなで盛り上げて活動したが、お盆も入ってVCは閉鎖したが、被災者の生活は終わらない。地元でも支援は大切だという話になったが、地元ではその後どうなったか?
A:(永沼さん)菊池さんには長い間ご協力いただいた。その後南郷町VCとして、生活支援レベルの活動を行っている。今のところ、生活福祉基金の貸し付け、それの事務などを行っている。その後のサービスについては、運営委員会12人と会議したが、サービスは実施していない。今地域の人に話しているのは、地域がひとつにまとまって、地域の住民同士の見守りの活動が一番大切だということ。被災者を孤立させない、住民の助け合いが大事、主役は住民だと話している。
Q:永沼さんへの質問。今回の地震でそれぞれの5町のVCの立ち上げが違うと話されたが、その5町での連絡網はあったのか?連携は?
A(1):(永沼さん)直後は地震があって、南郷町のことしか正直頭になかった。被災地域が他に4町あったことに気づいたのは数日経ってから。町とのそれぞれのVCの関わりはあったが、基本的には独自運営。連絡は8月半ばごろから取りあい始めた。県社協の立場からも連絡はしていた。しかし災害時は情報が錯綜する。どれが正しい情報なのかわからない。15日、ここに来る前に5町の話し合いがあったが、今後スムーズな情報の流し方について検討したい。
A(2):(宮城県社会福祉協議会 北川さん)現実として、町社協の連絡調整をするのが県社協の立場。しかし、どうしても町単位の動き方がある。社協も縦割りで動いている。反省点なので次回に生かしたい。町単位にしばられない広域のボランティアセンターを作る案も出ている。小さな町になればなるほど、災害ボランティアの件をVCにまかせっぱなしになった。ボランティアの名前が出ればすべて社協に振られるのが今の現状ということを知って欲しい。
Q:永沼さんへの質問。ボランティア保険について。鳴瀬町だと思うが、保険代がかさんだ為、募金を募っていたと聞いた。保険は必ず入らなければ行けないのか?
A(1):(永沼さん)一般の保険は300円だが、災害用は年度がけで670円。ボランティア保険をかけたのは、ボランティアに安心してもらうため。活動していく上で、何が起きるかわからない。実際に5、6人けがなどをして保険を使った人がいた。ボランティアは助けたいという一心で来ている。そのような人達の安全のために入るべきだと判断した。今回は話合いでVCが持った。100万円弱かかっている。
A(2):(みやぎ災害救援ボランティアネットワーク 佐藤さん)基本的には個人ではなく、税金が負担すべきだと思っている。とりあえずが社協が立替え、最後に行政が支払うべきではないか。
A(3):(県社協 北川さん)災害は通常の活動と意味合いが違う。どこが負担すべきかは、いろんな議論がある。しかし、保険がないと、受け入れたVCとしては不安である。ほぼ義務づけでボランティア保険に入ってもらいたいと考えている。
7.永沼さんより感想
今回、NPOの取組みについて話を聞けたのは良かった。今後とも横の連携が大切に成ってくると思う。NPOの方も、自分達のできることをもっと日頃から情報発信していって欲しい。
8.終わりに (遠藤)
今日はいろんな活動を聞かせてもらった。いろんな団体やNPOが来ているのでぜひ交流、連携を図って欲しい。WEB上で団体が災害時にできる事を情報発信するということも役に立つのではないだろうか。今日の記録は簡略版でHPに掲載したい。連絡先など、もし掲載しても良ければ記録の中に掲載したいので、教えて欲しい。今回のサロンが今後起こり得る災害への取組みの一助になることを願っている。
(以上)
1996年11月から始まったセンダードサロンは、
分野の違う市民活動団体の交流と市民活動に関心のある人たちが、
様々なテーマで気軽に語り合える広場を作ろうと始まったものです。
毎回タイムリーなテーマを掲げ、市民活動にダイレクトに役立つ情報が満載!
これまでに様々なテーマのネットワークが広がっています。
最近は、こんなテーマで開催しています!
・ホームレス支援
・仙台を変える次世代会議
・個人情報の保護
・せんだい助成金事業
・病院ボランティア
・緊急集会 福祉の足を考える
・変わる!NPO法人制度 緊急学習会 など